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東京タワーに登る理由

 東京タワーへ来ていた。
一度は行きたいと思っていたのだけど、まさか仕事で来ることになるとは。
 しかし、大きい。
ああ、東京タワーだ。やっぱり日本は東京タワーやね。嬉しくなる。


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【芝公園の小川にて】
タワーの回りには芝公園があり、古い木々が都心を忘れさせてくれる。
ありけんの休憩は、そんな公園のベンチと決まっている。



 夕方帰路につこうと思ったありけんだが、思い出したことがあった。
たしか後輩が、東京タワーの展望台で働いているということだった。
 なんだか急に登って会いに行きたくなった。
しかし、以前の話しでもうやめているかもしれないし、今日は休みかもしれない。
さらに展望台までは1420円ときている。

 うーん、どうしよう、、。

 迷うくらいなら行ってみよう!

 超高速エレベータは飛行機のように登ってゆく。
こういうエレベーターに乗ると、いろいろ想像してしまう。

 「チーン、お待たせしました。最上階『天国』でございます」
 
 「みんな、行っちゃだめだ!戻るんだぁ!」
 
 「なにいってるんだ、ここは天国だよ。さあ、君も行こう」

 「現実から逃げてはいけない!一緒に戻るんだぁ」

 「空気もきれいだし、美女もいっぱいだよ」

 「…僕も行っちゃおっかな」

なんてね。


 そういえばエレベーターガールの制服、かわいいな。
さなべぇ(そう呼んでいる)もあれを着ているのか。なおさら見てみたい(おやじ)。

 エレベーターはぐんぐん上がってゆく。
もしいたら、さりげなく地下鉄の入り口はどこか尋ねてみよう。

 
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【いたー!】
もう、二人で大騒ぎ。岩手っ子の澤内早苗。
彼女は、ひまわりのようなシンガーソングライター。ステージはなおさら素敵。
しかし許可はもらっているとはいえ、こんなことブログに書いてよいのか?
ごめん、さねべぇ。



 みんな夜景を撮影しているのに、受付嬢を撮影しているありけんは完全に危険人物。
だけど来てよかった。心がぱぁっとなったよ。
 ありがとう!さなべぇ。


 満足したありけんは、特別展望台へと向かった。


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【町は夜の始まり、空はまだ夕焼けの中】



やっぱり外に出ないと迫力がない。
だけど、展望台の雰囲気は独特でいいよ。


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【大展望台。夜は大人の雰囲気やね】



 下りのエレベーターはタイムマシーンのよう。
落下しているのに比べたら、幾分ゆっくりだ。

 ライブによく来てくれるお客さんが、以前東京タワーを階段で登ったと言っていた(希望すると登れるらしい)。
信じられない、、よくやるよ。
ライブをやる方もやる方だが、見に来る方も見に来る方だな。だいたい似ている(感謝してます)。


 「チーン…、お待たせしました『地獄』でございまーす」
 
もういいって!


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【楽しくなってくる】


 再び地上に降りて、敷地内のイルミネーション広場でコーヒーを飲んだ。
 写真を撮り始めてヒートアップするありけん。


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【夜っていいね】


 写真を撮っているとだんだんアングルに飽きてくる。
回りを見ても、大勢の人が同じように写真を撮っている。
同じようなアングルなら性能がいいカメラに負けてしまう。
なんとか自分にしかできない表現はないだろうかといつも考えてしまう。

 今回は、上を見ずに下を向いて表現してみようと思った。
そこで生まれた作品がこれです!


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【マンホールの気持ち】



 誰よりも長く東京タワーを見上げている、マンホール君。
鉄とは思えない暖かさと、アンニュイな表情が素敵。
たくさん撮っていると愛着までわいてくる(バカ)。
 「マンホールなんてどこも一緒」だなんて言わせない!
こいつは六本木や赤坂のマンホールとは違う。分かるでしょ?
 大勢の人が上を向いている中、一人マンホールを撮影しているありけんはやっぱり危険人物。


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【こいつは、いいマンホールだ】
しかし『N』ってマークはなんだろう?
北に位置しているのか?それとも港区の何かを表すのだろうか?調べてみた。
まず、『マンホール』でなくて『Nホール』と言うらしい(ちょっとかっこいい)。
マンホールが地中で円形で大量スペースなのに比べて、『Nホール』は楕円形で小スペースらしい。
うーん、こいつは実は近代型なんだな。
未来、また東京タワーにに来ることがあったら、この『Nホール』を探してしまいそう。



 海外らの観光客、地方からの観光客、カップルに家族連れ、会社帰りの人達…。
たくさんの人がそれぞれの思いで、暖かい色で建っているシンボルを見上げている。
いろんな思いがあるだろうが、雰囲気は間違いなく前向きだ。ここは暖かい。
 
 もしかしたらそう思えるのは、先程、後輩と再会できたからかもしれない。
 自分には、ふと思い出し、会いたいと思える人がたくさんいる。
中には叶わない人だっているし、たいていは会いには行かないが、思い出すだけで少し暖かくなる。


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【そんな季節】


 広場にはウィンターソングが包み込むように流れていた。
もう帰ろうとしたとき、サラ・マクラクランの曲が流れてきた。
 再び腰を降ろして、幸せな気持ちと感謝を幾分笑顔にかえてみた。

by a_kessay | 2010-12-03 20:21  

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